インデックス投資をご存知でしょうか?市場全体に分散投資し、長期にかけてリターンを得る投資方法です。
インデックス投資というとローリスク・ローリターンで老後の資産形成のために…みたいなイメージがありましたが、実はこのインデックス投資、今、若い人の間で流行っているんです。
この記事を読んで分かること
- インデックス投資とは何か
- 自分がインデックス投資に向いているか
- インデックス投資のメリット
- インデックス投資のデメリット
- インデックス投資の失敗パターン
インデックス投資とは?
株式・国債・社債・REITなどの市場全体の動きを表す指数へ投資することをインデックス投資と言います。
お昼のニュースで「日経平均」や「TOPIX」なんていう言葉を耳にしたことがあるかもしれません。実はこれが株式における指数、「株価指数」の一例なんです。
インデックス投資は市場全体に投資するので、個別銘柄投資の「PERがこれくらいで~PBRがこれくらいで~」のようなスクリーニング作業がほとんど無く、簡単に投資できることが最大のメリットだと言えるでしょう。
また、投資を"博打"だと言うような人もいますが、インデックス投資はいわば「経済の成長」に掛けている投資です。
例えば競馬で馬券を購入するのは間違いなく博打ですが、もし「競馬場が儲かるかどうか」に掛けられるとしたら、あまり負ける気はしないですよね。
インデックス投資に向いている人
インデックス投資について詳しく触れていく前に、どんな人にインデックス投資が向いているのかを簡単に紹介します。
インデックス投資に向いている人
- 「投資をしたことが無い」という人
- 毎日忙しくて暇がない人
- 投資のリターンをコツコツと確実に積み上げたい人
- まとまった元本のある人
どれか一つでもあてはまったら、あなたは"インデックス投資に向いている人"です。
それではこれから、インデックス投資について詳しく解説していきましょう。
インデックス投資のメリット
まずはインデックス投資の"優れている点"について説明していきますね。
元金がゼロにならない
あなたにとって、投資で一番"怖い"と感じることはなんですか?
私は「元金が無くなること」が怖いです。おそらく、多くの人が怖いと思っているはずです。
一般的な株式の個別銘柄への投資ですと、もし投資した会社が倒産したら株式の価値はゼロです。つまり元金は失われゼロになってしまいます。
インデックス投資にはこういった心配がありません。
市場全体の指数へと投資するインデックス投資は、市場全体の価値がゼロにならない限り、決して元本がゼロになることは無いからです。
運用コストが低い
インデックス投資をETFやCFDで行えば、一般的な投資信託と比べて圧倒的に運用コストが安く済みます。
例えば「iシェアーズ・コア TOPIX ETF」というTOPIXを指標とするETFは信託報酬が0.06%なのに対し、比較的有名な投資信託である「ひふみプラス」の信託報酬は1.078%となっています。
その差実に約18倍です。
投資するだけでリスクを分散できる
これから投資を始める人に対する助言としてよくあるのが「リスクを分散させようね」というもの。ここでいうリスクとはお金を失う可能性のことを指します。
例えば、A社の株価が25%下落し、B社の株価が25%上昇したとします。この時、A社の株式に全資金を投入していたとすると、あなたの資金は25%減少してしまうことになりますが、もしA社とB社の株式に50%ずつ投資していたとすると、資金に変化はありません。
"どこかは下がっていてもどこかは上がっている"という考え方が「リスク分散」の考え方のキモですが、それならなるべく多くの種類に資金を分散させておいたほうがこの恩恵に預かれそうですよね。
インデックス投資は市場全体に投資する方法ですので、いわば"インデックスを構成する全銘柄に分散投資をしている"と言うことができます。
これだけ分散させておけば十分に"リスクを分散できている"といえるでしょう。
知識・経験ゼロでOK!
さきほどインデックス投資を競馬場に例えましたが、もしあなたが競馬で勝とうとしたら何をするでしょうか?
血統・直近のレース実績・当日のコンディション・下馬評など…様々な要素を見極めて掛ける馬を決定する必要がありますし、何よりこれらを正確に判断できる知識や経験が必要になります。
投資も同様で、株式で儲けようとするならばその企業に対する入念な下調べが必須です。
ところがインデックス投資にはそのような知識と経験は必要ありません。市場全体に投資するインデックス投資は、良い会社も悪い会社も引っくるめて「次第に価値が上がっていく」ことに掛ける投資だからです。
馬のことを知らなくても競馬場が儲かるかどうかの判断はできるというワケです。
インデックス投資は"プロ投資家"のパフォーマンスを上回る
プロ投資家というのは投資信託を運用するファンドマネージャーのような人を指す言葉ですが、インデックス投資のパフォーマンスはプロ投資家のそれを上回ると言われています。
著名な投資家であるチャールズ・エリスやバートン・マルキールもプロ投資家の7割以上がインデックス投資のパフォーマンスに負けていると述べています。
プロ投資家のような人たちが勝てないのですから、私達のような個人投資家がインデックス投資のパフォーマンスに勝つのは、不可能とまでは言いませんが至難の業であることに間違いは無さそうです。
インデックス投資のデメリット
ここまでで、インデックス投資が優れた投資方法であることが分かっていただけたのではないでしょうか。
もしかしたら早速、証券口座を開設してインデックス投資をしてみようと思っていらっしゃるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
投資は何事も"自己責任"。しっかりとデメリットを理解した上で取り組むのが大切です。
ハイリターン(一攫千金)は望めない
インデックス投資は経済の成長にかける投資であり、経済は一朝一夕には成長しません。
ですからインデックス投資の利益はゆっくりと積み上がるものであり、一攫千金のようなハイリターンを望むことはできません。
「株式で一発あててやろう!」という考えの人には向いていない投資方法と言えます。
維持コストがかかる
インデックス投資ができる商品は色々あり、商品によっては維持コストがかかるものがあります。
例えば先程紹介した「iシェアーズ・コア TOPIX ETF」というETFは信託報酬として年間0.06%を支払わなければなりません。
たかが0.06%と思われるかもしれませんが、インデックス投資の性質上、長期投資が基本戦略となりますので投資する金額が大きければ結構馬鹿にならないコストが発生します。
ではどうすれば維持コストを抑えられるのでしょうか?これについては別の記事で解説します。
元本割れのリスクがある
インデックス投資のメリットとして「元本がゼロにならない」ということをお話ししましたが、"元本割れ"のリスクは常に存在します。
といってもこれは投資であれば何にでもついて回るリスクであり、インデックス投資のような長期投資を前提とした方法では日々の値動きに一喜一憂しないことが肝心です。
インデックス投資の失敗パターン
インデックス投資に向いている人もいれば、向いていない人もいます。
以下のような失敗をしてしまう人はインデックス投資には向いていません。
投資商品を短期的に売買してしまう
インデックス投資は長期投資に分類されます。経済の成長と複利の恩恵を長期に渡って受け続けるスタイルです。
例えば投資した次の日にいくらかの含み益が出ていたとします。目先の利益を手にしたくなる気持ちは分かりますが、ここで利確してしまっては長期投資の先にあるより大きな利益を取り逃すことになります。
損切りも同じです。よく損切りは早めにしたほうが良いという投資助言がありますが、インデックス投資において損切りは厳禁です。
経済が成長することにかけて投資するわけですから、損切りするということは経済が成長しないと判断した、すなわち社会に希望が無いということになってしまいますからね。(笑)
誤った銘柄を選んでしまう
インデックス投資は市場全体の動きを表す指数に投資することであるとお話しましたが、実際に投資商品を購入するときは、何をインデックスとしているのかを確認しなければなりません。
というのも、投資商品によってはごく一部の銘柄しか参照しておらず、市場全体に分散投資しているとは言えない商品もあるからです。
さらに、一口にインデックス投資といっても投資信託・ETF・CFDなど様々な投資方法があり、方法によっては維持コストがかさみます。
長期投資となるインデックス投資では、なるべく維持コストの低い投資方法を選ぶことが大切です。